機関誌・老健ほっかいどう:切れ目ない連携と支援体制で地域に根ざした介護を展開

切れ目ない連携と支援体制で地域に根ざした介護を展開

介護老人保健施設きよさと

清里町の老健施設にお邪魔しました!在宅復帰・在宅支援、レクリエーション、採用活動、多職種協働など、各老健が重点的に力を入れている取り組みを紹介していきます。

介護老人保健施設きよさと
斜里郡清里町羽衣町35-35

TEL/0152-22-4830

【入所定員】72名(短期入所2名含む)
【通所定員】20人
【種別】超強化型/単独型

在宅から入所まで、地域での暮らしを支える

清里町が開設し、社会福祉法人清里町社会福祉協議会が指定管理者として運営する「きよさと」。小清水町・斜里町からも利用者を受け入れ、広域的に支援を展開しています。

同法人は訪問介護やケアハウスの運営も行っており、法人内の異動で複数施設を経験した職員も多数。同じ建物に法人本部や保健福祉総合センター、町の保健福祉課などが併設されており、調整や連携がスムーズに行われています。

地域医療機関との連携強化にも力を注ぎ、2025年2月からは多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を導入。提携医療機関の清里クリニックと、協力病院の小清水赤十字病院との3施設間で、パソコンやスマートフォンを用いた情報共有が可能になりました。支援相談員主査の笹渕悠太さんは「グループチャット形式で手軽にやりとりでき、対応の迅速化につながっています」と話します。

人が根付く職場づくりで、質の高いサービスを

きよさとでは、サービスの質向上のため、職場環境の改善や人材育成に力を入れています。入所部門・リハビリ部門次長の小野寺徹さんは、「以前は離職者が多く、業務負担が増える悪循環が生まれていましたが、休みやすい・話しやすい職場づくりや、対人スキル向上の研修などに取り組み、今では離職率はほぼゼロになりました」と手応えを語ります。2024年3月には「北海道働きやすい介護の職場認証制度」を取得。取り組みの努力が評価されました。

利用者さんの生活の質向上にも工夫を凝らし、2024年10月から余暇活動として「あみものくらぶ」を開始。入所者10名ほどが参加しており、集中力や意欲の向上に大きな効果があったといいます。「発案者の理学療法士は編み物初心者だったので、通所リハビリの方から編み方を教わることも。同法人のヘルパーを利用している方から毛糸を寄贈してもらうなど、地域との温かいつながりも生まれています」と小野寺さん。また、月に2〜3回、季節や外出気分を味わえる食事を用意し、食のよろこびを感じてもらえるよう取り組んでいます。

各利用者さんが編んだ小さなモチーフを職員がつないでひざ掛けを作成。これまでに3枚作り上げた。すてきな手袋を編んだ利用者さんも。

これらの取り組みを継続するとともに、今後は長期入所や看取りのニーズにも対応していく必要があると施設長の屋舗俊幸さんは言います。「現在、利用者の平均年齢は91.4歳。これまで在宅復帰を支援してきたこともあり、『長期入所となった際も引き続ききよさとにお願いしたい』と言ってくださるご家族は多いです。短期入所から長期入所へ移行する方は年間10人弱いらっしゃいます」と屋舗さん。短期入所と長期入所の支援をどう両立させるかという課題に向き合いながら、地域の声に応えられる施設を目指しています。

駅弁「北海道・知床とりめし」を再現した行事食

事務連ならから質問です

Q:ささき
職場環境の改善や人材育成において、ブレない軸として大切にされていることをお聞かせください。

A:きよさと
大切な軸としていることは、全ての取り組みが利用者さんへのより質の高いサービスの提供につながると思って活動することです。そのために日々、チーム内での助け合いや情報共有を促進する仕組みや体系的な教育システムの構築と個々の職員のスキルアップ支援に職員一丸となり取り組んでいます。

老健ほっかいどう vol.18/6P
令和7年7月発行

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