社会医療法人豊生会 介護老人保健施設 ひまわり
札幌市の老健施設にお邪魔しました!在宅復帰・在宅支援、レクリエーション、ケア全般、多職種協働など、各老健が重点的に力を入れている取り組みを紹介していきます。
TEL/011-781-8800
【入所定員】90名(一般棟50人、認知症棟40人)
【通所定員】80名
【種別】超強化型/単独型
2024年9月、既存建物から幹線道路を挟んだ斜向かいに移転新築を遂げたひまわり。近所とはいえ、介護度の高い利用者も含む90人を車で次々搬送するのはさぞ大変だったと想像しますが、在宅支援課課長の三浦望さんは「計画的に進めて役割分担もバッチリ。搬送は最大4時間程度と見込んでいましたが、予定よりも大分早く完了しました」と振り返ります。ベッド稼働率もできるだけ落とさないよう各所と調整を重ね、移転前後2週間だけ入退所を中止したのみで稼働を落とすことなく乗り切りました。
新築によりハード面における大きなポイントの一つとなったのが、全館Wi-Fi完備による既存の記録システムと連動した見守りセンサーを全床に導入したことです。業務の効率化によって生まれた時間を利用者さんとの関わりに充てられるようになってきたといい、「在宅復帰から看取りまで、利用者さんの幅広いニーズに環境面からも柔軟に対応できるようになりました」と介護課長の志田真弓さん。副事務長の行方克浩さんは「まだアナログな部分もありますが、諸課題が改善されて職員の業務効率も上がっています」と成果を話します。
浴室の充実も図り、ストレッチャー浴やミスト浴を各階に導入し、好評を得ています。入所フロアは、認知症状のある利用者が安全で居心地よく過ごせる環境づくりにこだわりました。トイレ扉は目立つ黄色でアイコンを大きく配し、段差のない床部分は色を統一するなど色彩効果を存分に発揮。壁紙や床材、物品等は、現場職員の声を随所に取り入れ、職員・利用者ともに満足できる空間に仕上げました。
家族介護教室の隣に設けた屋上広場も可能性がいっぱい。リハビリテーション課長の川添裕美さんは「工夫して確保したスペースを活用しながらフロアにおける生活リハビリにもより注力していきたい」と意欲を見せます。
通所リハビリについては、前述した浴室の充実をはじめ多彩なマシンやイベントも増えて連日見学者が訪れています。リラックスアイテムも各種取り入れた中、とりわけ人気を集めるのはセキセイインコのぴーちゃんです。入所フロアにいる黄色のトラちゃん同様、利用者が集まって話しかけたり、言語障がいがある人の発声のきっかけづくりにもなっています。
他方で年々、医療ニーズの高い利用者が増え、ハード・ソフト両面において受け入れ準備を徹底しています。「医療の対応は質を落とさないよう取り組みたい。利用者さんが役割を発揮することで達成感を得られるような仕組みも考えられれば」と、通所リハビリテーション管理者の佐藤眞奈美さんは力を込めます。新たな環境でどんな取り組みが展開されるのか、同施設の今後に注目です。
●ささき
移転新築で最も大切にしたことを教えてください。
●ひまわり
新築での建設はまたとないチャンスですので、スタッフの意見や要望を建物・ハード面で随所に盛り込み、職員と利用者目線で活用することをイメージしながら「皆で創り上げる新しいひまわり」を意識したことです。関係内外の調整は大変なこともありましたが、その分移転時の歓びはひとしおでした!(事務長・村瀬)
老健ほっかいどう vol.17/7P
令和7年1月発行