社会医療法人禎心会 老人保健施設ら・ぷらーさ
稚内市の老健施設にお邪魔しました!在宅復帰・在宅支援、レクリエーション、ケア全般、多職種協働など、各老健が重点的に力を入れている取り組みを紹介していきます。
TEL/0162-29-4322
【入所定員】100人
【通所定員】70人
【種別】加算型
日本最北端の老健となる、ら・ぷらーさ。同施設では、2024年からは新たに2つの取り組みをはじめています。
一つは、認知症棟における福祉ネイルの導入です。認知症専門棟主任の森春奈さんが主担当を務め、有資格者を招いて余暇活動の時間に行っています。そもそも福祉ネイルとは、ネイルに関わる技術のほか高齢者の身体の特性や病気の知識について認定を受ける民間資格のこと。ここでは、について認定を受ける民間資格のこと。ここでは、一人の利用者に約20分かけて、丁寧なカラーリングと1本の指には好みの絵や柄のアートを描くネイルを提供しています。これまで3回、計12人の利用者に提供したところ、驚くようなセラピー効果が発揮されているそうです。
「食欲がなく点滴を受けて毎日ベッドに寝ていた利用者さんが、ネイルを受けているときは楽しそうに昔話をしたり、『ラーメンが食べたい』と食欲を訴えるなど気分が高揚しているのがわかりました。その日に早速、ラーメンを提供したところ美味しそうに召し上がっていて驚きました」と森さん。ほかにも、笑顔が増えた利用者、夜間落ち着いて眠るようになった利用者もいるなど想定以上の効果が見られたことから、今後も継続して取り入れていく予定です。
二つ目の取り組みは、宗谷地域のご当地体操「こうやってそうやって体操」を取り入れた通所リハビリでのポピュレーションアプローチです。こ の体操は、軽快なメロディーに子どもたちの元気なコーラス、宗谷の風景が浮かぶ歌詞をのせた曲と、難易度に応じた複数パターンの動きが振り付けされた宗谷地域オリジナルのもの。リハビリテーション科主任の小原聖さんは、「『てっぺんめざして~』で上に向かって手を突き上げる決めポーズが一番盛り上がる瞬間です」と説明します。きっかけは、通所リハビリの個別リハビリでは利用者が受け身になってしまい、主体性を引き出しきれないという課題があったこと。「今のところ楽しみながらリハビリできており好評です。会を重ねるごとに習慣化されて、時間になると利用者で互いに声をかけあって参加するなど主体性も見られています」と小原さん。
コロナ禍を経て、以前のような活気を少しずつ取り戻しつつある同施設。事務課課長の松田孝太郎さんは次のように抱負を話します。「長く社会的交流が閉ざされて身体機能や気持ちが落ち込んでいる状態だった利用者さんにも積極的なケアを提供していきたいです。大堀具視先生 が提唱する『動き出しは本人から』の導入や、今年度新設となった生産性向上推進体制加算や認知症チームケア推進加算なども算定できるよう取り組んでいきたいです」
●ささき
日本最北端の老健として海のイメージが強くありますが、何か地域の特性を生かしたイベント等を開催されていますか。
●老人保健施設ら・ぷらーさ
コロナ前は、宗谷岬など観光名所を巡るドライブツアーを行っていました。7月から通所リハビリの行事を再開予定ですが、7月30日に寄港する豪華客船「飛鳥Ⅱ」に向けて何らかの企画も準備中です。
老健ほっかいどう vol.16/7P
令和6年6月発行