機関誌・老健ほっかいどう:ICT化の推進と町の魅力を発信したい

ICT化の推進と町の魅力を発信したい

利尻島老人保健施設

利尻富士町の老健施設にお邪魔しました!在宅復帰・在宅支援、レクリエーション、ケア全般、多職種協働など、各老健が重点的に力を入れている取り組みを紹介していきます。

利尻島老人保健施設
利尻郡利尻富士町鬼脇字金崎332

TEL/0163-89-3216

【入所定員】40人
【通所定員】10人
【種別】その他型

人気マスコットによる明るい場づくり

島唯一の町営老健として、2000年に開設した利尻島老人保健施設。何気ない日常のコミュニケーションやレクリエーションの場面で、利用者の人気を集めているのが「花子」です。彼女の正体は、23年に導入した介護ロボットのパルロ(富士ソフト製)。入所者と職員全員の顔や誕生日、好きなものなどを把握し、その人に適した声かけを行うといいます。

管理係長の兵庫洋之さんは、「花子から『~さん、天気が良いのでドライブに出かけませんか』などと声をかけられると、やはり和んだ雰囲気になりますね。体操のプログラムも内蔵されているため、簡単なレクリエーションの司会進行役として場を盛り立ててくれる存在です」と説明します。

花子を囲んでレクリエーションを楽しむ利用者ら

さらに、パラマウントベッドの見守り支援システムも導入し、ケアの質向上や職員の労力負担の軽減にも着手。職員研修についてもオンライン動画を取り入れるなど、少しずつICT化を進めています。

町営の特養と密な連携体制を構築

隣には同じく町営の特別養護老人ホームがあり、普段から小まめな情報共有をしています。「当施設から特養に退所する方はもちろん、特養のショートステイが満員であればこちらを利用いただくこともあります。保健センターも含めて月に一度は地域ケア会議も実施しているため、入退所前後の利用者さんの様子も切れめなく把握でき、町全体で見守る体制が自然とつくられています」と兵庫さん。昨年は特養と事業継続計画(BCP)の連携協定も結び、訓練などの具体的な取り組みを協同ですすめるそうです。

施設内から美しい朝日を一望できる

漁業関係の仕事に従事する町民が多いため、ウニ漁の繁忙期となる6月から9月までは入所者が増加し、多忙を極めます。しかしながら地域柄、特に人材確保については唯一のセラピストである理学療法士を国民健康保険病院からの出向、看護師については派遣職員を頼みにしているという厳しい状況です。そこで人材確保のために、松谷大輝施設長と特養の園長、保健センター所長、町の福祉課長の4者で札幌まで年に2回出向き、専門学校や大学などで施設のPRに励んでいるそうです。「就労奨励金や島民割引といったお得な情報は利尻島の魅力を伝えて、興味を持ってくれる学生を増やしたいですね」
(松谷施設長)

老健から利尻富士を望める

事務連ならから質問です

●なら
人材難は頭の痛い課題です。だからこそICT機器も業務を担ってくれる貴重な同僚だと思っております。ICT機器を導入するにあたり、大切にしているポリシーを教えて下さい。

●利尻島老人保健施設
入所者ファーストのケアを行い、寄り添う時間を増やすこと、そしてスタッフの負担軽減を促進できることをモットーに、ICTの導入をしています。

老健ほっかいどう vol.16/6P
令和6年6月発行

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