機関誌・老健ほっかいどう:リハビリ提供施設として地域ニーズに応え、利用者さんの「帰りたい」思いをかなえる

リハビリ提供施設として地域ニーズに応え、利用者さんの「帰りたい」思いをかなえる

介護老人保健施設さくら

北見市の老健施設にお邪魔しました!在宅復帰・在宅支援、レクリエーション、採用活動、多職種協働など、各老健が重点的に力を入れている取り組みを紹介していきます。

介護老人保健施設さくら
北見市北光280-6

TEL/0157-68-1139

【入所定員】100名(短期入所含む)
【通所定員】70人
【種別】超強化型/単独型

断らない姿勢と手厚いフォローで信頼を積み重ねる

「さくら」は、年間約1,100人が入退所する超強化型老健です。在宅療養支援とリハビリに特化した施設が少ない北見地域において、日常生活の支援に加え、脳疾患などの医療依存度の高い方の受け皿としての役割を担っており、その圏域は遠軽町、訓子府町、網走市、丸瀬布町など広域にわたります。相談課長の武田学さんは、「私たちの役割は、日常生活を再構築し支援すること。断らないことを第一に、利用者とご家族の『自宅に帰りたい』という気持ちに寄り添い、幅広く利用者を受け入れています」と話します。

現場では、質の高い介護・医療提供のため、ICTを積極的に活用。全居室に動作モーションセンサー(カメラ)やセンサー内蔵ベッド(60床)を整備し、転倒時の状況の動画記録から原因分析、対応方法の精度を向上させ、ナースコール(スマホ)と連動し効率的な転倒予防に役立てています。また、職員間のコミュニケーションのためのインカムや全部署共通の介護システムなどを用いて、業務の効率化や情報共有の円滑化につなげています。在宅復帰後のフォローアップが最重要と考え、訪問リハ、通所リハ、訪問看護、居宅介護支援といった在宅サービスを展開。

通所リハでは、大規模特例型として、リハビリに特化した支援体制を整えています。「利用者の生活目標に応じて、介護、看護、リハビリ専門職が協働して機能訓練の個別プログラムを実施します。マシントレーニングやテレビ体操など、利用者が楽しみながら運動に取り組み機能維持を意識してもらう環境をつくっています」と理学療法士の渡部剛さん。さらに、医師とリハビリ専門職が定期的に状態を評価し、その結果を利用者、ご家族、ケアマネ、施設職員で共有することで、より効果的な支援が可能に。

こうした体制が地域で信頼を集め、ご家族や関係者の口コミで相談につながることもあるといいます。

通所リハビリでは多職種が協力して運動をサポート

地域の医療・介護を支える人づくりに尽力

若手人材の採用・育成にも力を注いでいるさくらでは、2019年から「介護プロフェッショナルキャリア段位制度」を導入。全国共通のものさしに基づいた評価・指導で成長支援を行うとともに、各部署内での勉強会や多職種でのWeb研修、外部講師による研修会などを行い、現場力の底上げに取り組んでいます。

将来の人材確保を見据え、道内の大学、専門学校など各養成校からの実習生の受け入れ、地域の養成校への講師の派遣も実施。「オリジナルラベルの飲料水やクリアファイルといったノベルティづくり、アウトドアブランドとコラボしたウエアを導入するなど、施設を印象づけるための工夫も行っています」と武田さんは話します。

時代が変化し地域のニーズが変わっても、さくらが大切にするのは変わらない老健の役割を機能させ、世のため人のために利用者一人ひとりに向き合う姿勢。これからもそのための歩みは続きます。

オリジナルラベルのミネラルウォーターと施設名称とイラストが入ったオリジナルウエア

事務連ささきから質問です

Q:ささき
介護プロフェッショナルキャリア段位制度の評価対象者は、どのように選定しているのでしょうか?経験年数によるのか、それとも希望者なのか教えてください。また、レベル認定後のフォローアップなど、システムの仕組みを教えてください。

A:さくら
入職から6カ月以上経過した全介護職を対象としてレベル認定(2-2)を目指しています。認定後は複数いるアセッサー(指導者)が段位項目を分け毎年フォローアップしています。また認定者は家族への介護指導、新人や実習生の指導、全体の介護技術の平準化に活躍しています。

老健ほっかいどう vol.18/7P
令和7年7月発行

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